【NEW】コロナ禍を振り返る①

あれから約3年、春には新型コロナ感染症は、「第2類」から「5類」へ引き下げられるとの話です。

そこで、ちょっと早い気もしますが、コロナ禍を早めに振り返り、先へ進むことを考えたいと思います。

コロナ禍、誰もがいろんなことを考え、不安に陥り、しかし新しいことも考え実践し(もしくは足掻き続け)なければならなかったことと思います。

もちろん泉橋酒造も例外ではありませんでした。以下の3つの視点から書き記しておきたいと思います。

① 商品開発の話

② 酒米の栽培、そして、過剰在庫になった話

③ 設備投資の話  

 

まずは、①商品開発の話を。

忍び寄るコロナ・・・・

 

皆さんご存じの通り、コロナは、2019年11月ごろに中国の武漢で始まりました。当初日本はあまり関係ないという雰囲気でしたが、年があらたまった2020年2月に新型コロナ感染症が船内で拡大したダイアモンド・プリンセス号が横浜港にやって来ました。

ちょうどその2月に横浜港にあるホテルで神奈川県酒造組合のイベントを行っているときに、横浜港に停泊しているDP号を遠くにみて恐ろしさを感じたことが懐かしいです。日本のコロナは神奈川県から的なイメージが強く出ました。

   

(写真)神奈川の酒を楽しむイベントの様子と横浜港の様子、中央の奥の方にダイアモンドプリンセス号が見える。  

しかしながら、この2月は、恒例の蔵開きイベントや日本酒造組合中央会主催のSAKE&SHOCHUアカデミーの受講生の見学会、そして、様々に日本酒の会などが普通に行われていました。

  

 写真)海外で活躍する日本酒のインフルエンサーだけが受講できるSAKE&SHOCHUアカデミーのご一行様  

しかしながら、3月になると少しずつ日本酒の出荷もペースが落ちてゆき、我が「さがみ酒米研究会」は3月末に開いた総会では、少し酒米の作付け面積を減らす決断をしました。(減らした面積は、飯米に振りかえました)しかし、1998年のスタート以来、毎年増えていた作付面積が前年を下回るのは初めてのこと、当時のコロナに対する先行きに対する不安感の表れでもありました。減産に快く応じてくれた農家さん達には感謝しています。

 写真)酒米研究会の総会の様子(マスク着用)

 4月1日に行った入社式もマスク着用のまま、そしてついに2020年4月7日には、7都県に対して緊急事態宣言が発令されました。

このロックダウンにより、中止になったものはいろいろとありました。  

 写真)マスク着用での入社式、悲しいことにお祝いの酒宴は開けませんでした。

 

4/8より直営レストランは残念ながら休業へ、仕込みや田植えの準備は継続しましたが、本社の直売店では試飲は中止、出勤する従業員の数を減らすために土曜日の出荷作業は中止、もちろん、甑倒しのお祝いも中止に、世の中も様々なものが中止となり、恐ろしいことに日本酒の出荷も激減しました。

皆様もそれぞれに恐ろしいことが始まった時期だと思います。

 写真)当時の新聞の一面


コロナに負けない! YouTube!甑倒しLIVEから始まりました、、、

 

コロナで日本がロックダウンする少し前の頃です。

海外との商談や会議において、ZOOMやメッセンジャーを使ったり、オンラインでの日本酒セミナーやライブ酒蔵紹介など、初めての経験をしていたことが幸いでした。

翌日4/10には「甑だおし(こしきだおし)」が予定されていた2020年4月9日夜のこと。緊急事態宣言が発令され、出荷もレストランも何もかもがストップしてしまい、モヤモヤしていた私は、自身のフェイスブックで、甑倒しはライブでやる!、と投稿してしまいました。すると「いいね!」がいっぱいに。

甑倒しは、酒蔵にとってとても大切な行事のひとつ。それを社長がライブでやることを公言してしまったので、翌日社内は大変なことに。

しかし、ロックダウンしていたので、モロミの管理を残す酒造り以外に、お酒の出荷はありませんし、レストランも臨時休業、時間だけはありました。

そこで急遽、動画制作でお世話になっていたK氏に相談し、機材を持ち込んで頂き、YouTubeの「ライブ甑倒し」を実際に行うことになりました。  

その甑倒しは以下です(長いので時間のある時に見てください)

これが、この後、泉橋酒造で頻繁にYouTubeを使い始めるキッカケとなりました。

このあとですが、商品の紹介には、SNSとYouTubeを必ず使うということになります。  

 

コロナに負けない! 直営店の味をご家庭に、惣菜のオンライン販売へ

 

とにかく、コロナに負けない! 先の見えない中、そして、出荷がほとんどない中、全社員でのマーケティング会議を行うことになりました。

コロナ以前から「部署間での意思疎通が出来ていない」という指摘を会社診断で頂いていたことを思い出し、主な社員でこの難局をどうするのかを考えようということになったのでした。

このあと2年あまりにいろいろと新商品や弊社にとっての新しい販売方法が出てきますが、実はこの会議から出たアイデアがほとんどです。

まずは、飲食事業部から「時間があるので、惣菜を真空冷凍パックにして、オンラインやテイクアウトで販売しませんか」そして、「その技術と設備はすでにあります」と。

そこで、売店の「酒友館」や「オンラインショップ」で販売することに、また、お酒もセットにしてちょっとお得にしたりと。

写真)惣菜販売のパッケージです。レストランが休業したので出来ました。当時のレストラン店内の様子も一緒に。  

愛犬の癒し、ファシリティドッグの支援「うちの子ラベル」発売へ

2019年の春から、子ども病院へファシリティドッグを派遣するNPO団体の支援のお酒を販売していました。また日頃このNPO団体は多くの企業から寄付が集まる団体でもありました。

しかしながら、コロナで企業から支援が少なくなり、困ったという話を頂いていました。

2019年秋から橋場家では、保護犬を飼いはじめ、その愛犬「うちの子」の癒し効果をコロナ禍なので余計に実感していました。

また、子ども病院で長期に入院しているお子さんやそのご家族にとって、ファシリティドッグの癒しは無くてはならない存在である、ということも想像できました。

そんな中での出て来たのアイデアが、お客様の「うちの子」オリジナルラベルの製作と日本酒、そして、ファシリティドッグの支援を結び付けたらどうかと。

そこでお客様の愛犬や愛ねこ、つまり皆さんの「うちの子」の写真をラベルにした日本酒が登場しました。

詳しくはココへ

ファシリティドッグ支援のお酒は、共同通信さんや朝日新聞さん、TVKさんなどからも取材して頂いたりもしたため、沢山のご注文を頂き、たくさん支援金を送ることが出来ました。(感謝)

  

写真)モデルのうちの子は、すべて知り合いからの提供です(感謝)

写真)現役のファシリティドッグたち!

 

写真)2019年春発売のファシリティドッグ支援酒

  

4/20に高田純次さんのTV番組「じゅん散歩」に泉橋酒造が登場!

この放映にとても助けられました。

4/20の放映日の前には、新たにスタートした「惣菜、家飲みセット」「うちの子ラベル」をうちのホームページ等に掲載していました。

 そして、迎えた放映日、HPへのアクセス数が過去最高を記録。

通常の問屋さんや酒販店さんへの出荷がない中、オンラインショップで注文を頂く事が出来ました。

(4月の泉橋酒造の総売上は前年対比で50%にも満たない状態でしたが、逆によく50%近くまで届いたというべきかも。)

ちなみに、高田さんが弊社にロケで来られたのは2020年の3月初旬のことでした。

(つづく)